チャレンジ3
「かあさん。今、忙しいよね・・・。」
お通夜の打合せ中の電話でした
遠慮がちの長男の声です
「で 何?」
「こんな時でごめん。僕 受かったんだ。」
後期日程で半ばだめもとで受験した大学の合格発表の日だったのです
母が亡くなった途端に始まった混乱状態
私は私で
あれもこれもと葬祭互助会の方との打合せ、
親戚の調整、金庫番
身近に居ながら母の異変に気が付かず
自分が母を死なせたと自分を責める姉の代わりに雑用を引き受け
長男のことは気になりつつも何もできずにいたのです
「かあさん 僕は自分でやるから・・・
でも お葬式は出られないみたいだ。」
下宿を電話で探していた彼
一人暮らしの準備を
友人たちに聞き一覧表にしていた彼
これから住む町の地図を準備した彼
夜遅く家に戻ると
「おじさん達 僕の事怒ってた?」
葬儀の手伝いをしていないことを気にしていたらしい
「にいちゃんがいなくても 俺がやってきた」
妙に胸をはる弟
こうやって
人は続いていくのですね
合格してみんなに祝福して欲しいはずなのに
我慢してひとりで準備を進める
寂しいに違いないのです
「ごめんね、ごめんね・・・」
と言いながら
わんわんと暫く号泣したわたしです














